理学療法士という名の白衣の肉体労働者

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こんにちは、ひつじです。

 

皆さん、「理学療法士」って知っていますか?

あまり聞きなれない言葉だと思いますが、リハビリをする人。

というと、何となくイメージが浮かび上がってくると思います。

 

病院やクリニック、地域の福祉施設などで病気やケガをしたお年寄りやアスリート、その他、心身に障害を持つ人に対して身体の機能維持、回復を目指するために運動療法や物理療法を行う専門家としてリハビリを提供する職業です。

 

そう。何を隠そう、自分も理学療法士として総合病院で働いています。

 

毎日、身体に何かしらの不自由を抱えた方々に対して向き合い、時には寄り添い、患者さんの日々の成長をサポートし、共に歩んでいく職業です。

 

「患者さんを癒す」なんて大層な使命や責任を背負った職業であるわけですが、逆に自分たちが患者さんから癒される場面もたくさんある。そんな素敵な職業です。

 

自分たちがサービスを提供する対象が「心身に障害を持つ人」なだけあって、提供したサービスによって患者さんに利益がもたらされた時に受ける感謝は、一般の営業職や事務職などと比べると別格なものがあると思います。

 

 

しかし、この理学療法士という職業には大きなリスクが二つあります。

 

①避けては通れない「腰痛爆弾」を抱える肉体労働

②労働に対する圧倒的な対価の低さ

 

の、上記二点です。

 

 

まず、①避けては通れない「腰痛爆弾」を抱える肉体労働 について。

 

理学療法士がサービスを提供する対象は先ほども述べた通り、「心身に障害を持つ人」であり、その大多数が病院に入院、もしくは外来通院をされる患者さんとなります。

 

そもそもリハビリを受けなくてはならない患者さんというのは、総じていえば動きに何らかの制限や問題を抱えている方になるわけです。

外来で通われている方であれば、日常生活に最低限必要となる動作は可能な方が多いです。

(もちろんそのような方だけではありませんが、比率としてはそういった方が多いです)

しかし、入院患者さんの場合はご自分では身動きが取れなかったり、ベッドや椅子から立ち上がることができなかったり、歩くことができなかったりと、動作に何らかの介助、お手伝いが必要になる方が多いのが実情です。

 

そんな患者さんたちを抱える、抱き上げる、移動させる、時には一人では全く歩けない患者さんを歩かせる。なんてこともします。

これを一日に何度も何度も繰り返し行うために、自らの腰に爆弾を抱えることとなります。

そしてこの爆弾は、一回の介助につき爆発までの導火線が1ミリずつ短くなり、ある日突然大爆発を起こし、セラピストの持続可能な報酬体系を木っ端みじんに吹き飛ばすのです。

 

そう、これが「腰痛爆弾」という名のシロモノの正体です。

 

患者さんやそのご家族からは大変な感謝を頂くこともありますが、こんな「腰痛爆弾」と常に隣り合わせなわけです。

そんな仕事、50歳や60歳になっても続けられると思いますか?

そもそもそんな年齢になったら、もはや自分がリハビリを受ける立場に近いですよ...。

 

その年代で十分な治療ができるのかも不安だし、そもそも体力が続かないのは確実..。

しかし、腰が痛かろうが体力がなくなろうが、生活に必要な資金を枯渇させるわけにもいかず、老体に鞭打って働き続けるしかない。

 

そして行き着く先は、やはり「腰痛爆弾」の大爆発による就労困難 + 日常生活困難。

 

これが理学療法士の仕事の一つ目のリスクです。